トラック運送業界

2024/10/26

No. 3941 2024年問題はこれから

 24日(木)、広域運送事業協同組合の秋季研修会で秋田に行ってました。秋田でがんばっている物流会社、秋印の三浦社長が準備をしていただきました。

 ご存知のように秋田は人口減少がもっとも厳しい県。減る人口と物量の中で物流をどう回していくのか? 農産物の保管・輸送から多角化していく様子を見学させていただきました。やはりしっかりした将来像を描いて、先代から引き継いだ仕事でも方向転換をしっかりしていくことが大切。しっかりした経営の軸が出来ていることに感心しました。

 

 2024年問題、高齢化、人口減少と、果たして「誰が運ぶの?」という問題なのですが、これが本質を理解してもらえてない状況です。ここに来て中小零細運送事業者が経営に行き詰まって廃業・倒産が目立ってきました。トラック10台の会社でドライバー2人辞めたら、売上は2割減。当然赤字になります。そうすると、経営者のみならず、残った8名のドライバーも影響を受ける。この繰り返しが起こってきています。

 2024年問題、始まったばかりです。

 

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#2024年問題#秋印#トラック運送事業#中小零細事業者#広域運送事業協同組合#秋田#人口減少#トラックドライバー

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2024/02/27

No. 3882 時速90Km

 今日、大型トラックの高速道路での最高時速が80Kmから90Kmに引き上げることが閣議決定されました。これも2024年問題への対応です。スピードを上げれば運転時間は短くなるという理屈です。

 今まで大型トラックは重量もあり、高速で走ると事故の程度も大きくなるという理由、さらに燃費が効率的だということから最高時速が80Kmに決められたまま現在に至ってます。その後90Km以上は出ないスピードリミッターの装着義務づけで大型トラックを起因とする死亡事故が減ったのも事実です。

 ちなみにアメリカでは大型のトレーラー(日本的にはコンボイで有名)の最高時速は州によって異なりますが、55マイル(88Km)から75マイル120Kmとまちまちです。日本でも今回タブー視されていた制限速度を上げたことから、運転時間が短くなる方を優先することで、いずれは時速100Kmにも話しは進んでいきそうですね。

 実は大型バスの最高速度、120Kmですから…。トラックも時速100Kmにすれば、今より20%、120Kmにすれば33%も運転時間が短くなるといった理屈が出てきます。今後は安全・省エネvs運転時間短縮 ですね。果たしてトラックの事故が増えたらどういう議論になるのでしょうか? 

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#2024年問題#大型トラック最高速度#トラックの最高速度#時速90Km#バスの制限速度#アメリカのトラック最高速度#バスの最高速度

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2024/01/18

No. 3871 自動運転トラックの可能性

 最近「自動運転トラックの可能性はどうなんですか?」という質問をよく受けます。私の答えは「無人のトラックがやってきて、工場や倉庫の前に停車するのはいいけど、そのトラックから荷物を誰が降ろすのでしょう?」という回答。日本ではそもそもトラックに荷物を積んだり降ろしたりするのはドライバーの仕事になってます。よって工場や倉庫では積み降ろしの人員をちゃんと用意してません。よって、無人のトラックがきたら降ろすひとがいません。

  欧米では特に大型車はトレーラーでドライバーが積み降ろしをすることはないので、自動運転トラックはありです。

 残念ながら日本の自動車関連の工場・倉庫ではドライバーが積み降ろしをするルールが徹底しています。で、自動運転のトラックを作ろうとしているのは自動車メーカー。皮肉です。

 2024年問題、こんなところにも問題があります。よって、途中部分的に自動運転をするとか、同じ会社内の工場と工場の間での輸送で使うというのがもっとも現実的な話し。ただし、運送屋さんに頼めばドライバーが積んだり降ろしたりしてくれますが、自分の会社のラックで自動運転させると、工場の人が貨物を積んだり降ろしたりしないといけません。工場の人件費が増えてしまいますね。

  さらに相当高額になるであろう自動運転トラックを部分的にでも自動運転して採算が合うまでには時間かかりそうです。

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#自動運転トラック#トラックの荷物積み降ろし#荷受けのルール#トラック運転手#トラックの付帯作業

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2023/10/09

No. 3850 NS物流研究会オンライン講演会のおしらせ

 おしらせです。当時は若手だった、運送会社の経営者の団体「NS物流研究会」が15周年を迎えます。これを記念して、1023日(月)午後3時から午後5時半、オンライン講演会(無料)を開催します。

 

 毎年11月に行っている(今年は1118日(土))学生による物流研究発表会に当初から参加いただいている、神奈川大学の齊藤先生と、東京海洋大学の黒川先生による2本立ての講演会です。

齊藤先生は「成長するラストワンマイル物流の現状と課題~アメリカとの比較を踏まえて~」

黒川先生は「物流における人材育成を考える~物流現場の実態調査と改善事例より~」

という、まさに最近のホットな話題についてお話しいただきます。

 15周年で何をやろうかといろいろメンバーで考えたのですが、パーティー開くとかなんとかよりも、こういう物流に関連した情報発信をすることが一番だろう、ということで今回の企画となりました。以下のURLからNS物流研究会のページに入って、是非ご参加下さい!

 お申し込みはここをクリック→ NS物流研究会オンライン講演会

 

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#NS物流研究会#ラストワンマイル#物流人材育成

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2023/08/15

No. 3834 走っているトラックが横転するくらいの猛烈な風

 台風ですが、終戦記念日です。インドは一年遅れではありますが、この日に独立しました。よってインドは今日は祝日。

 ところでニュースを見ていると「走っているトラックが横転するくらいの猛烈な風です」という説明がやたらに目立つようになりました。これって「こいういう表現をするように」というルールになったんでしょうか? 暴風雨で横転するのはトラックだけですか? 確かに背が高いので、荷物を積んでいないと横風に弱いです。よってトラックは荷物を積んでいない空車時に傾けても倒れない角度が決められていて、左右それぞれ最大安定傾斜角が35度以上となってます(車種によって若干違いますが)。要するに車体を傾けて、反対側の車輪が地面から離れてしまうときの角度で、これを「転角」と呼んでいます。

 ちなみにクレーン車やレントゲン車のように重心が高い車は、転角は30度以上必要です。これって結構な角度ですが、それでも強風で倒れるときがあるのです。で、「走っているトラックが横転するくらい…」となってしまう。

 今日のテレビの映像は乗用車が倒れているものしか見てませんが…。トラックが倒れていなくて良かったです。

 ということなんですが、余りに繰り返し「走っているトラックが…」言われるので、運送業として、こういう表現マスコミに考えて欲しいと思います。少しは別の表現混ぜてください。たとえば「街路樹が倒れるほどの猛烈な風」とか「屋根瓦が飛ぶような猛烈な風」とか… 

 この台風、鳥取を襲いましたが、ニュースでも結構名前が出てきた鳥取県の八頭町(やず)。ここに「やずブータン村」というのがあります。光澤寺というお寺のご住職、宗元英敏さんが活動の中心。

心配になって連絡を入れたら、「無事」とのこと。ちょっとずれていたら大変だったと…。ご無事で何よりでした。

ということで、やずブータン村のホームページ、ご覧になってみてください。

 

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#やずブータン村#台風7号#走っているトラックが横転する#八頭町#光澤寺#転角#歳代安定傾斜角

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2023/08/05

No. 3830 祝 中野倉庫運輸100周年

 韓国のKBSニュースを見ていると、日本とまるで同じニュース。猛暑で大変、猛暑の中大雨の被害を受けたところの片付けが大変で、ボランティアも大変。全く同じような自然災害を受け、お隣の国との近さを感じます。

 さて、遅くなりましたが81日(火)同業の運送倉庫会社である「中野倉庫運輸株式会社」の100周年記念パーティーが開かれました。川崎陸送よりも1歳年上、1923年創立ということになります。まさに81日の100周年の誕生日にパーティーを開催されました。

 社長の中野晋一君は、私と高校からの同期。大学卒業してから留学してアメリカのIBMで働いてから現在の会社に入社。私も留学後アメリカのコカ・コーラで働いて川崎陸送に入社。境遇が結構似ていますが、性格は丸で違います!? ともあれ、挨拶で何度かの危機を乗り越えて今があると話されましたが、まさに先代達の努力があってこその今があり、それに対して感謝しなくてはいけません。

 ということで、下の写真、壇上挨拶をされているのが中野晋一社長です。

20230801_100r

 また、ご来賓の山本泰人中央区長の挨拶で、震災で焦土と化した東京を、後藤新平の帝都復興計画の中心だったのが中央区だと話されました。この巨額の復興計画で、延焼を防ぐために公園や幹線道路を整備し、それによって現在の昭和通りや靖国通りができ、トラックでものを運ぶ商売が一気に加速されたというお話し。まさにその通りで、今年から来年にかけて100周年を迎える運輸倉庫会社が多いのはこのためなのです。

 我々運送業会は「公共財である道路を使わせていただいて商売している」という原点でもあります。

 中野倉庫運輸さんは、次の100年に向けて、今月アメリカのバージニア州で新しい倉庫を竣工されます。100周年記念事業と言ってもいいでしょう。時代は変われど一歩ずつ前進。改めて中野倉庫運輸さんの100周年をお祝いすると共に、これからの100年へのスタートを応援したいと思います。

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#中野倉庫運輸#100周年#中央区#帝都復興#後藤新平

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2023/07/23

No. 3827 制限時速90Kmに緩和って本気?

 2024年問題で大型トラックの高速道路での最高時速を80キロから90キロに引き上げる検討が始まるそうです。散々「大型トラックは危ないから制限速度を下げるべきだ」と騒いで80Kmまで落としておいて、今度は「長距離輸送に時間がかかっていて、労働時間が長くなっているから少しでも短くなるように」という、姑息な理由での制限速度緩和検討。こんなこと最初から分かっていたのに…。

 突然の取って付けたような理屈で交通事故の犠牲者の方々を説得できるんですかね? 時速90Kmにすると運転時間が9分の1だけ短くなるから集中力が落ちないようになって事故が減るといった理屈を並べるのか? で、事故を起こして責任負うのは当然ながら我々トラック運送事業者です。もっとましな労働時間削減対策を考えて欲しいと思います。今でも道路代節約のために高速道路に乗らないで、下道を走るトラックは多いです。なぜか? お客様が高速道路代を負担できる運賃を払ってくれないから。デフレの副作用です。

 

 ちなみにアメリカのフリーウエイは、都市部とその他郊外で制限速度が州ごとに決められていて、都市部だけを見るとトラックに厳しいのはマサチューセッツの45マイル(72Km)とはいっても場所によって違うので、マサチューセッツの都市部でも65マイル(105Km)という場所もあります。

カリフォルニアは50マイル(80Km)から65マイル(105Km)。

一番緩いのはコロラド、カンザス、ニューメキシコ、ノースダコタ、テキサスといった広々とした州で、55マイル(89Km)から75マイル(121Km)。まあ、地方だから都心部と言ってもトラフィックが少ないからでしょう。でも、地方ほどスピード出すから大きな事故が起きるとも言えます。

 交通事故、それもトラックに対してこれだけ厳しい目がある中で、果たして可能な議論なのでしょうか? 

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#2024年問題#大型トラック#高速道路速度規制#最高時速80Km#速度規制緩和#ドライバー労働時間削減

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2023/07/02

No. 3819 あの会社には車を出したくない

 7月になりました。今日は日曜日ですが、明日からの仕事のために沖縄に羽田16:55発の飛行機で向かってます。沖縄が結構感染増えている中で出張というのもなんだか。一応5月のインド出張前の58日に5回目のワクチン接種してますが…。(4回目もオミクロン株対応ワクチンでした)

 

 2024年問題は、先日の新聞でも書いていただいたとおり、なかなかいろいろな問題が絡み合っているので、そう簡単に解決するとは思えません。それ以上に、「これがやめ時」とか、「2024年春まで目一杯稼いで廃業」といった、「止める理由」ができましたね。これによってどの位の運送会社が今後廃業していくのでしょうか? この自然淘汰によって、トラック輸送の需給バランスは崩れるのか?

 やはり「付帯作業」「自主荷役」を当然のように行わせているメーカー、卸しに対して「あの会社には車を出したくない」という運送会社が増えてくると考えています。特に繁忙期は元請けの物流会社が下請けのトラックをかき集めるだけに、その際にどれだけ拒否されるか? もちろん、長距離なのに休みなく運転しないと到着しないような無理な時間指定をして来たりするところも一緒です。

 時間の管理の問題だけに「運賃をもらっても出来ないものは出来ない」という形になっていくのでしょう。

 

 ということで、今日の最後は飛行機から見えた富士山と、今晩しっかりいただいた泡盛です。泡盛も勉強が必要です!

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#毎日新聞#2024年問題#自主荷役#付帯作業#トラックドライバーの拘束時間#富士山

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2023/06/28

No. 3818 明日29日の毎日新聞

 今日は日帰りで山梨でした。

 ところでお知らせが遅れたのですが、26日(月)の毎日新聞夕刊に、2024年問題について当社が取材を受けて掲載されました。

 そして明日29()の毎日新聞朝刊にも、私の意見が掲載されることになりました。毎日新聞、読んでる方は少ないかもしれませんが、コンビニででもお買い求め頂き、お読み頂ければ。

 トラックドライバーの拘束時間が長いこと、その原因の一つ、積込み先、卸し先での荷物を卸すだけでなく、先方のフォークリフトなどにも乗って格納までするような作業をする実態を書いています。これを「付帯作業」と呼んでますが、なぜか業界では自虐的に「自主荷役」なんて言い方をしています。われわれ自主的になんてやってません。商習慣の問題です。この問題は、日本人の物流に対する意識そのものを変えないと解決しません。

 

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#毎日新聞#2024年問題#自主荷役#付帯作業#トラックドライバーの拘束時間

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2023/06/05

No. 3813 EVトラックの将来(アメリカでは)

 アメリカではカリフォルニア州で厳しい法律が出来たことから、EVトラックの普及が急がれています。これに伴って、トラック用のチャージングステーションを作ろうというベンチャー企業が土地と充電設備を急ぎ作っているらしいのですが…。

 1EVトラックは普通の軽油で走るトラックよりも車輌価格が3倍は高い

 2)走行距離が1250マイル程度なので、地場輸送にしか使えない。たくさんのチャージングステーションがないと、トラック運送事業者が導入を決断できない。

 3)充電時間が当然乗用車よりもかかる

という問題で、ハードルはアメリカでもなかなか高いようです。

 

 さらに、これに自動運転トラックはどうなのか? 自分の会社の倉庫間ならともかく、人様の倉庫に行って、勝手にトラックが到着して黙って駐車して「さー、荷物降ろして頂戴」というのも、かなりのルール決めが必要で、アメリカでもなかなか大変みたいです。

 言われてみればそうですね。

 

 さて、これらのハードル、どうやってクリアしていきましょうか? 日本はもっと難しそうです。

 

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#EVトラック#自動運転トラック#カリフォルニア州のトラック規制

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