No. 3964 インドはインフラが追いつかない
今年初のインド出張が終わって帰ってきました。インドの気候は快適です。日本の気温が低いのを実感しますが、とはいえ寒さにもそこそこ耐性のある私は、まあこんなもんかと。
今年の11月で、西ベンガル州コルカタ市に初めて来てから10年になります。9年通い続けると、インドの経済成長が身をもってよくわかるし、インフラの不足が大変だということを実感しています。ロジスティクスの視点を中心に、そうでもないことも含めて、この9年で感じたことを以下に:
1)道路を平気に歩き、寝ている牛が本当にいなくなりました。あの牛はどこに行ったのか? 食べられることはなかったと思いますが、豚はだめだけど牛はOKのイスラムの人が食べたのか?
2)郊外に高層マンションや企業のビルがどんどん建っています。かつての高島平や多摩地区の団地、あるいは上海や北京の状況を彷彿とさせます。牛の居場所がなくなってきています。
3)スーパーが混んできています。人が増えれば当然です。当社の野菜も売り上げ上昇中。
4)渋滞が以前よりひどくなりつつあります。道路が追いつかない。特にコルカタの中心街に向かうのは大変です。
5)来たときに建設していたメトロ(鉄道)は未だに完成してません。さすがです。しかしインフラ整備がこのスピードでは。
6)ファストフード店が多くなりました。ファッションという感じもあるのでしょう。KFCやバーガーキングの店舗数も増えています。
7)農村は全く変わっていません。9年前と同じです。ここが問題です。
8)鉄道も混雑が激しさを増しています。ムンバイやインドでは通勤に2時間かかる人もいます。かつての東京を思い出させます。
人口が増え、所得が増え、だけど70%近くを占める農民との格差が広がる中で、インフラが追いつかない。これで農村の所得が上がってきて、さらに耐久消費財を買うようになったらどうなるんでしょうか? 農村でエアコンは普及してないし、冷蔵庫がない家もあります。農村の人たちがエアコン買って、電子レンジ買って、もっと電気を使うようになったら、電力需要も心配です。
インドのお米の年間生産量は日本の約700万トンに比べて、2024から2025年シーズンは驚異の1.45億トンになる見込み。人口10倍でも、お米の生産量は何倍なんだ!? ところが輸送方法はまだまだこういうのが多いのです。
物流、インフラ、インドの問題は大きいです。
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