No.3445 三浦按針
先週16日のブログで「オリンピック開幕式に、東京都はお祝い?で感染者数「2020人」を発表するのでは!?」と冗談で書きましたが、本当にそうなりそうですね。当たっても何もないだろうけど。
ということで、昼過ぎまで仕事して、その穂は読みかけの本を読み終えました。久しぶりに「William Adams(三浦按針)」についての新刊です。
最初は1983年の「Shogun」をアメリカで読みました。イギリス人なのに日本に漂着して家康のアドバイザーになった人。そもそもはアメリカのNBCで連続ドラマになって大人気になり、ヒロインの島田陽子さんがアメリカでも有名になって、その後で原作のShogunを夏休みか何かに読みました。
今回の「ウィリアム・アダムス-家康に愛された男・三浦按針」(ちくま新書)は地名を追いかけるのがGoogle使ったりして大変ですが、三浦按針の生涯が非常によく分かります。三浦按針は堅物で真面目なために商売が下手で値引きしないとか、八重洲の地名の由来となったヤン・ヨーステン(こちらも一緒に日本に漂着したオランダ人で家康のアドバイザー)との関係が実はそんなに仲が良くなかったり、ヨーステンは虚言癖があって他の大名に嫌われていたとか、結構面白い事実が示されています。二人とも幕臣として領地まで与えられていました。それが京浜急行の安針塚駅があるところ。
1600年前後のイギリス・オランダ・スペイン・ポルトガルの関係も非常によく分かり、三浦按針の役割も分かるのですが、それ以上に徳川家康の外交政策の一貫性と洞察の深さはすばらしいと思わせる本です。家康自身は自由貿易主義者だったというのも驚きで、鎖国は結局家康の死後のスペインのカトリック宣教師を使った海外覇権を防ぐものだったことがこの文脈の中からよく分かります。
ともあれ、歴史の人物像を結構変えさせてくれる、最近読んだ中では最も面白い本でした。これって小説ではなく、史料をしっかり研究して書いたノンフィクションというところがまたすばらしいです。
以上、この夏の1冊でした。
『「事業継続」のためのサプライチェーン・マネジメント実践マニュアル』はこちら!
最近のコメント