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2017/09/05

No.2506 トラックドライバーの293時間がダメになると…

 293時間。これが我々トラック運送事業者のキーナンバーです。一般の方々は知らないでしょうけど、トラックを運転するドライバーが、1ヶ月に「拘束される上限時間」を示しています。細かく言ってしまうと、労使協定があるときは、年間6ヶ月まで、かつ年間でトータル3,516時間に収まるならば、320時間まで許されます。

 あれ!?と思いませんか? サラリーマンの1ヶ月の労働時間は一般的に176時間でしょ? そうすると、それよりなんと117時間も多いじゃないの! 320時間だと、一体残業何時間なの? 100時間の過労死レベルを軽く超えてませんか?

そこで問題になるのが「拘束時間」と「労働時間」の違い。拘束時間にはドライバーが休憩する時間も含まれています。厳密に言うと、なんでトラックがこうなっているかというと、トラックドライバーの仕事そのものが9時から5時の仕事の枠にはまらないということで、この4月だったかに、建設業界と並んで働く時間の上限を設ける法律の5年先までの除外扱いを受けたのです。この辺の定義は説明すると長くなるので、興味がある方はこちらをご覧下さい

 

 そもそも論ですが、サラリーマンドライバーが9時から5時まで、残業時間なしでトラックを運転したらどういうことになるでしょうか? 鹿児島から野菜を東京の大田市場まで持ってくるとして、一体どこまで走れるでしょうか? 実は大型トラックは高速道路でも80Kmまでしか出せません。ということで、鹿児島から大田市場まで大体1400Km 時速80Km ノンストップだと17.5時間かかります。半分も行けないので、ドライバー交替です。家に帰るときはどうするか? なんて考えてもしょうがないのですが、我々が普通に食べている農産物とか、使っている工業製品はこうやって運ばれてきている。4時間に130分以上の休憩を取らなくてはならないので、果たしてどうやって運転してきているのか? 

そうそう、みんなが考えるスピードも、時速100Kmではないのです。80Km以上スピードが出ないようにする機械も大型トラックには付いているのです。時速100Kmなら14時間ですが、大型トラックはそうも行かないのです。もちろん休憩なしでも…。

 ということで、良いとか悪いとかは別にして、トラックドライバーが8時間労働、あるいはせいぜい10時間程度の労働になったときに、我々が普通に食べたり飲んだりしているものなどがどうなるか? 考えていただければ幸いです。産直なんて成立しなくなるのでは? 生活の見直しが必要になるかもしれません。

 

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