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2014/02/19

No.1375 危機管理と物流ネットワーク=自宅の在庫をもう一度見直して

 雪害で物流が停滞したとか言われていますが、私なりに整理してみると、やっぱり3.11の時と変わりません。サプライチェーンが伸びすぎていて、遠くからモノを運ぶことを前提に社会のシステムが変わってしまったから。そして、地方の方々と違って、都会の人々は相変わらず自宅に備蓄をしていないので、スーパーから品物がなくなったとか言って騒いでいる。

 野菜だって、魚だって、遠くから運ばれてきます。それも夏野菜までもが、この冬場にないからと困っていたりして…。「なす」「ピーマン」「いちご」って本来いつの野菜なのか?

でも、雪でハウスがやられた栃木の「とちおとめ」の穴を埋めるべく、九州から「あまおう」がトラックで関東に運ばれてくるんでしょうね。

 

高速道路がどこにでもつながっているために、逆にトラックによる長距離輸送が増えています。注文すれば、ピーマンが鹿児島からやってきます。魚も九州からぶっ飛ばしてやってきます。自動車部品と同じで、何でもかんでもです。

さらに、倉庫や配送センターを全国2カ所とか1カ所に集約すると、全体の在庫が減ります。ということで、それがどんどん進められて、いわゆる消費財、加工食品などの農産物以外は東京や大阪といった「拠点倉庫」から全国に製品が送り出されるようになりました。これも長距離輸送が増えている原因。で、私も今宵、博多から送られてきた農産物である「蕾菜(つぼみな)」を食べてしまいましたが…。

何を言いたいかというと、近距離で調達していれば、1台のトラックで何往復もできるので、雪が降ってもなんでもどうにかなります。逆に長崎から魚や野菜を持ってくると、トラックは23日とか12日の運行になり、余計台数が必要になります。ドライバーが家に帰れなくなります。恐らく家で眠ることができるのは月に10日未満。

さらには、今回の立ち往生の空からの映像をご覧になりましたか? ほとんどが大型トラックでした。なぜか? トラックはとにもかくにも配達先に向かわなくてはならないので、Uターンできないんです。あるいは、出発を止めるわけにはいかなかったのです。だから、高速で立ち往生している車両はトラックだけになった。旅行をキャンセルするのとは訳が違う。これって、トラックドライバーになると大変だよなー、ならない方がいいよなー、ということにつながってしまうんです。これがある種慢性的なドライバー不足の一つの原因です。

みなさん、コンビニの在庫があっという間になくなったとかいろいろ言っているけど、3.11のことを思い出して、最低限の在庫をご自宅で持ちましょう。生野菜がなくても数日大丈夫というメニューも考えておきませんか? 野菜の缶詰、ありますよね!?

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